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榊原烋一 【サカスト】 |
1 たいせつなお知らせ
郵政公社がテレビCMを流している。冒頭に「たいせつなお知らせです」と言って、この連休中に郵便局のATMが提携窓口を含めても使用できない、というお知らせだ。
お知らせそのものは問題はないが、まず「たいせつなお知らせ」とは、だれのために大切なことなのかと言えば、それはお客様に対してに決まっている。つまり民営化に向けてシステムを変える作業を連休中に行おうということなのだろう。
どんなコピーライターが書いたのか分らないが、たいせつなお知らせ、となれば利子が上がったとかハガキの値段が下がったとか、つまりお客さまにとって便利が増えましたよ、というならまだ分る。あるいは逆に早く下ろさないと預金が封鎖されてしまいます、ならこれはもっとたいせつなお知らせだが。
今回のCMは単に連休中は郵便局のATMが使えないと言うことなのだから、まず「お客様にご迷惑をおかけします」とか、「申し訳ありませんがお知らせいたします」くらいが適当なのでしょう。さて、内容を知らせてからの最後のせりふ、これが「ご協力をお願いします」ときた。
これにはさすがに頭に来た。お客に対して「ご協力」と言われてもどういう協力の仕方があるっていうの?まさか知らずにお店へ来て、金が下ろせなくて頭に来てドアを蹴飛ばして壊してしまうようなことはなさらないで、ということなんでしょうか。
預け入れも引き出しも出来ないということに、どうやって協力しろって言うんでしょうか。結論は「来てもダメ」ということに尽きるのだから、これは正確に言うならば「お客さまにはたいへんご迷惑をおかけしますことを心からお詫び致します」くらいが正いのでは。
昔の人間は郵便局なんて休日には営業していないという常識があるから、連休中に金が必要ならばその前にひきだしている、だけれども最初から「大切なお知らせ」とか「ご協力」などというテレビコマーシャルを打つというセンスはやっぱり役人の体質が抜けきっていない証拠だ。
2 ご都合主義
間もなく参院でも可決されそうな国民投票法案、私は前からそんなに急いで審議する必要はないと言っているが、どうも総理は今国会で可決してもらいたいようだ。この法律での大きな問題は投票率に関する規定がなくて、単に投票総数のうち多数を得たものが国民の意志を示したものとなるから甚だ危険な法律だと書いたはず。例えば憲法改訂全体に反対だとして投票を棄権してしまえば、それは無効票として数に入らなくなる。
まあ選挙とは民主主義社会の権利行使の基本なんだから、棄権した人は権利放棄とみなすという考え方もあるとは思うけれど。
ところがここで不思議なのが選挙権をもつ人間の年齢を18歳以上としたこと。表面的な説明では、18歳といえば立派な大人、十分に投票の意義が判断できる、なんて若者をおだてたような言い方をしているが、成年か未成年かが問題になる法律はいっぱいある。聞いたところによると30くらいあるらしいのだ。それもあるものでは18歳、あるものでは20歳と法律によって区別が違う。
たとえば民法によれば男子は18歳、女子は16歳になれば結婚できるが20歳未満の未成年は両親または片親の承認が必要とある。いっぽう風営法によれば、風営法に該当する営業を行う人間は20歳未満はだめだけれども、お客として入れるのは18歳以上だ。
一番はっきりしているけれどもまた一番守られてないのが未成年者喫煙禁止法ならびに未成年者飲酒禁止法だ。これは満20歳未満はダメと言うことがこれほど国民の常識になっていながら、世間一般ではかなりの人間が大学生になればよかろうと黙認状態だ。
さて元に戻って、自民党は国民投票法の選挙権を18歳以上にしろと言う。そのくせそれならば法律の整合性をとるために飲酒喫煙の禁止も18歳に引き下げろというと、それはどうもと難色を示している。片方では立派な大人扱いのくせに、もう一方では子ども扱いにする。
憲法を変えることにさほど抵抗のない、つまり戦争体験のまったくない若者に多数投票に参加してもらいたいが、飲酒喫煙はそんなに若いうちからされてはたまらない、これが本音というべきだろう。政治も役所もなんとご都合主義なんだろうね。
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