|
榊原烋一 【サカスト】 |
テレビ番組発掘あるある大辞典でインチキネタ放送をしたとかで関西テレビ局が民放連盟から除名されてしまった。もとはと言えば放送の中で納豆がダイエットに効果があるなんてデタラメを全国ネットで流したことにある。そのあと調べてみたら出るわ出るわで、インチキ健康番組が続々。
このままにしておくとさすがに危険と放送側も考えた。とにかく現政権はへまがあればすぐに法規制をかけかねない治安維持法時代ヘの里帰りをもくろんでいる政権だということを知っているからだ。そこはマスコミのこと、それこそ「この紋所が目に入らぬか」よろしく、とっておきのせりふ「言論の自由の危機」、とか騒いで自主規制に出たわけだ。
だけれども、本来はこんないい加減な番組作る方も作る方なら、見る方も見る方だ。とにかくある日突然、スーパー、コンビニの棚から一斉に納豆が消えてしまったのだから、あの番組を本気にした視聴者がごまんといたにちがいない。こういう日本人ばかりだとそれこそ政府が戦争だと叫べばそちらへまっしぐらに走り出す危険性が十分すぎるほどある。
だいたいテレビの健康番組を本気にするなら、私は司会をしていた、みのもんた氏が大嫌いだったからあんまり見ていない某昼の番組なんて、毎日のようにこれが体に効きます、と、一応はお医者らしき人物とやりとりしていたのだから、それこそ身の回りにあるものすべてが健康のためには何か役に立っているということになる。
この司会者は、不二屋の事件でも、ありもしないことを流してこっぴどく叩いたとかで問題になっている。これだってニュース原稿を作った局側の責任だと言えるが、最近の民放のコメンテーターはそれに加えていかにも自分こそ正義の味方づらをしたがるから、へたすると裁判になって被告にもされかねない余計なことをべらべらとしゃべり過ぎる。ニュースだって当てにならない世の中、健康番組はNHK教育テレビくらいにしておいてはいかがですか。
ところで、もっとおっかない嘘、それは原子力発電所の臨界事故隠しの殺人未遂事件だ。これはチェルノブイリ事故でご承知のように、万一放射能が洩れだすようなことがあったら原子爆弾が落とされたような事態になってしまう恐ろしい事故だ。その寸前までなっていたという北陸電力の志賀原発、おまけにここは今回の能登沖地震でも被害を受けている場所だ。
さてこれであわてたのが経済産業省だ。たちどころに通達を出して、各原発に報告を求めた。するともちろん事故に至るほどのものではなかったが、これまた出るわ出るわの報告隠し。
そこで経産省もただでは済まされないと思ったのか、なんと3月29日の朝刊にお役所とも思えないでッかい広告を出した。とにかく1ページ下4段抜きの大きさだから広告料いくら払ったんだろう、これも税金?それとも電力会社の奉賀金?
その内容は皆さんもご覧になっているだろうが、左側にはでっかい活字で「世界で一番安心な原子力立国を目指します。」とあり、その下には−なぜ今改ざんがあきらかになるのか?−それは私が「事実を隠さず出すように」と指示したからです−とあり一番下には、経済産業省の名とロゴマーク、そしてそれよりずーっと大きな活字で経済産業大臣 甘利明の名前まである。
右半分にもでっかい活字で「総点検の4つのねらい」とあって、その1 過去の不正を清算、その2 不正を許さない仕組み、その3 事故・トラブルの情報を共有、その4 安全確保を大前提に、という見出しを付けてそれぞれ2〜3行程度の説明を付けてある。
電力会社が原子力発電所の安全管理に全力を傾けてもらわなければならないことは当然過ぎるほど当然のことではあるが、所管大臣の名でこんなでかい広告を新聞に出すとなるとちょっと眉つばものになってくる。
まず第一に、日本の将来のエネルギー政策を考えれば今のところは原子力に頼らざるを得ない。ところが原発を建設するとなると地域住民の反対が大きくなる、まして今度のように発電所の職員が事故寸前の状況が起きてもそれを隠ぺいするとなれば、ますます反対運動は大きくなる。だから国民の皆さんにはこの際新聞広告を出してまでも政府は今後の安全対策を考えてます、と言いたかったのか。
そんなことは原子力活用の責任ある所管官庁ならば頼まれなくたって常日頃から注意義務があることは当たり前のこと、これまではいい加減だったからこれからはしっかりやります、ということならまず謝罪広告を出す方が先だろう。
次に甘利大臣がいたから過去の問題まで明らかになったと言いたいのなら、それまでの大臣は何をやっていたのかと疑われても仕方がない。もちろん経産省の役人達も同罪だ。国民の原子力利用に対する危惧をそらせようとしているのなら、新聞紙上で大臣が決意を述べるなりを記事にしてもらえばそれで足りる。
なぜ広告の形をとったのか。勘ぐると統一地方選挙に続く参院選挙目当てか、自民党はこんなにしっかりやってます、の宣伝か、それとも大臣個人の売名なのか,こんな疑いをもたれるのも日頃の行いのせいなんですよ。
この記事の読者数: