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榊原烋一 【サカスト】 |
大晦日となれば千篇一律の如くマスコミでは今年1年を振り返ってという特集を組む。TVではNHKがこれまたこれを見なければ日本人ではない、とばかりに紅白歌合戦を流す。私が変わり者なのかもしれないが、ラジオ時代から今日まで、紅白を聞いたり見たりしたことのない日本人だっているんですぞ。
別に紅白が嫌いだというわけでもないが、裏番組、特にラジオ時代からこの時間には裏番組としてクラシック番組を流していたから、そちらを聞いていたからでそれが習慣になっただけだ。しかし、紅白のプログラムを新聞紙上で眺めていると、何十年経っても飽きられずに出演している歌手もいれば、あっという間に爆発的に売れて出演したがその後どうなってしまったのか、スポ新のベタ記事にすら現れて来ない歌手もいる。
最近は世相も変わりやすいのだが、それにもましてマスコミの変わり身の早さに日本中がかき回されている状態だ。いつも言うように、マスコミは確かに事実は伝えているだろうが、世界中で起きている事実をすべて報道する訳にはいくはずがない。したがって報道されている事実はそのごく一部に過ぎないし、その選択はすべて一握りのマスコミ編集者の手によってなされているのだということは国民のそれぞれが賢く判断しなければならないことなのだ。
安倍内閣が発足した当初から【サカスト】は不信感を表明していた。一つには総理になる前の言動がちょっと気掛かりだったこともあったが、総理就任以後はむしろその指導力のなさが気になってきた。しかも、前任者の小泉さんが奇妙なほどのツキに恵まれていたことと比べると、安倍さんは逆にツキに見放されたかっこうだ。
お友達ごっこ政府を作ったとたんに政府税調会長がスキャンダルで辞任。そのまた直後に行革担当大臣がまたもやお金絡みで辞職。そのたびに総理は一身上の都合で、ばかりを強調しなければならない。まさか私の選択のミスでしたなどと本音を吐こうものなら即座に政権崩壊は間違いない。
さて、こんな内閣でも一応新年を迎える。ツキのなさもこの辺で打ち切りにしてもらわないと国全体がおかしくなってしまう。景気のほうはいざなぎを超える成長を続けているとはいうものの一般庶民には全く実感がない。そしておそらくは参院選が終われば当然のように消費税を初めとする増税が決定されることはだれもが知っている。
【サカスト】では社会福祉費の増大をまかなうためには消費税の増税は認めざるを得ないとは思っている。しかし現在のような税金の無駄遣いを放置して増税を決定すればおそらく頼りのない野党ではあっても自民党以外の政党へ投票せざるを得なくなるだろう。
前回せこい日本と書いたけれども、国民だって今後の日本の在り方を考えれば増税やむなしの意見が多数だと考えられるが、その税金が本当にまっとうに使われるかどうかに関しては圧倒的に懐疑的だ。県知事は汚職でばたばたと逮捕される。経営者は粉飾決算で問題を起こす、そのくせ子供の犯罪が増えたのは教育のせいだと急ぐ必要もない法律をゴリ押しで通す。子供は社会を映す一番透き通った鏡だということについては政治屋も経営者も口を拭って知らん顔だ。子供の姿にこそ日本の大人の姿がそっくり映っている。
プロ野球では松坂がアメリカの野球にポスティングで莫大な金で移籍した。考えようによれば彼はあたかも南北戦争前のアメリカの奴隷売買と大して変わらない状況だ。その当時の奴隷売買の実態を鋭く描いたストウ夫人の著、アンクル トムズ ケビンにはアフリカから拉致された奴隷が市場で売買される様子を書いているが、それとプロ野球のポスティングシステムは酷似している。ただ違うのは当時の奴隷は買われたら最後、牛馬の如く使役されるだけだ。
競争社会のモデルともいうべき現在のアメリカでは大金を得た選手がその金を何に使うかでその人間の価値も人気も決まってしまうのだという。野球だけに限らずプロの世界で金もうけをすれば、彼等はその金をチャリティに回さなければ金を持っているだけで名声は保てない。これが真の意味での競争社会のあり方だろう。ここにははっきりと宗教的な基盤の影響が見て取れる。
【サカスト】がいつも叫ぶのは日本のエリートには全くその気のかけらさえ見当たらないことが心配だからだ。消費税にしても数百万円もするダイヤモンドを買う場合と、一合の米をやっと買う場合が同じパーセントの税金ではおかしくはないか、またいくら零細な業者だとは言っても、税金として払った金が業者の懐にそのまま入ってしまういわゆる益税なるものの存在を許しながら増税しようとする政治屋達の感覚がおかしいと思うからだ。
先日のテレビでこんな話しがあった。ヨーロッパのある国では地方議員はすべてボランティアで行っているという、もちろん議会開会中は交通費その他の諸実費は支給されるのだそうだが、それ以外はすべて無給だそうだ。そういう議員なればこそ自治体の無駄遣いの指摘も可能になる。地方議会こそそういう人間が責任をもつ組織にしたい。
ついに今年も終わりになるが、戌年は去ぬ(いぬ)でもある。百人一首にも「契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋も往ぬめり」とある。口語訳にしてみると「約束してくれたお恵みの露のようなお言葉を命としておりましたが、とうとう今年の秋も過ぎ去ってしまいました」というようなもので、いい地位をやるよと約束してくれたその言葉をだけ頼りにしていたのに、もう秋も終わってしまった、という恨み節でもある。
戌年は去ってしまうが、美しくない日本のエリートもこの辺で早く退散して欲しいものである。
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