クラシック音楽 北朝鮮に学ぶこと

劇場政治はもういらない

榊原烋一 【サカスト】
2006年7月16日(日)寄稿
7月18日アップ

北朝鮮のミサイル発射からもう2週間以上も経ってしまった。結論はまだ出ない、なんて書いているうちに結論が出てしまった。結局中国にまたしてやられた形だ。日本外交もはじめは景気が良かった、北朝鮮に対する制裁決議を国連に提出したまではよかったけれど日が経つにつれ拒否権を持つ中国、ロシアの修正を経つつ落ち着くところに落ち着いてしまった感。

プレスリーの家にアメリカ大統領に同行してもらって上機嫌の小泉さん、どうせやるならもうちょっとましな声でそれらしい身ぶりで歌ってほしかった。あのお父さんの息子ではコータロー君も気の毒だけれども役者でも歌手でも大成は出来っこない、これは遺伝子レベルの問題だからね。さすがのブッシュ大統領も隣で冷めた顔をしていた。

小泉さんも総理最後のお仕事とばかり、よせばいいのにパレスティナとイスラエルを訪問。もちろん公式の訪問だから自分が行きたいから行ったのではなく、外務省が企てた訪問に決まっている。日本はどちらに対しても利害関係はない、その後ろにあるのはアメリカに決まっている。

落ち目になると今までは運が味方していた総理も、中東訪問したとたんイスラエルはレバノン攻撃、南北両面作戦に踏み切ってしまった。結局何のために訪問したかはマスコミもまるっきり報道してくれない。

ロシアでの首脳会議、これだってシェルパが事前に練りに練って最後に首脳連中が自分が考えたような顔をして声明を出すわけだ。さて、この成果はあと数時間で報道されるだろうが期待できるはずはないね。

北朝鮮のミサイル問題での日本の対処の仕方は驚くべき早さだった。つまり初めっからの出来レースと考えることも出来る。これをきっかけに先制攻撃も自衛のためだなどと悪乗りする政治家が出てくる。すると一番のご主人だと思っていたアメリカからさえもちょっと待て、がかかる。

近年右傾化をする日本は、私のよう意見を公表すると、すぐに自虐的歴史観だと葬られがちになってきた。特に大戦争を直接経験していない大部分の日本人は心の中で中国や韓国にまで文句を言われる筋合いはないと悪のりする。

日本政府が大好きな国連、しかしこれは以前に申し上げたように第2次世界大戦の先勝国が作った、そしてその体制が今でも続いている国際組織なのだ。この中では日本はあくまでも敗戦国でしかない。幸いにも戦後廃虚となった直後の日本人が必死の努力をして経済的にだけは世界の中で注目される存在になった。だから金の力と占領国アメリカの政治的おもわくがあったから世界の中で大きな顔をしていられるのだ。

こういう真実の歴史を日本は自国民に正しく伝えて来なかった。現在の北朝鮮のミサイル事件でも戦争体験のある年輩の政治家だけは口を揃えて日本はもう少し冷静に対処すべきだと叫んでいる。

戦争に負けたということはこういうことなのだ。それも忘れて一等国になったようなつもりになっていると、いつか足下からひっくり返されることも覚悟しておかなければならないだろう。仮にアメリカが日本を見捨てて中国と手を結んでしまうことだってないとは言えないのが国際関係というもの。昔の中国人はよい教えを残してくれた。そういう国のことを夜郎自大と呼ぶことを。

そんなときに一番賢明なのが自分からは手を出さない国だという事実を世界中に示すことなのだ。そうしておけば仮にどこかが攻撃を仕掛けてくれば必ず反撃してくれる国も出てくる。第一、核兵器がこれだけ普及してしまえば、先に使った国はもっと凄まじい反撃を受けるに決まっているのだから、どこの国だっておいそれと使う訳には行かなくなってしまっている。その中で、自分からは絶対に戦争をしかけない国、という定評を世界中に広めておくことはどれほど有効な手段であるか、もう一度考えてみよう。

元来マスコミとは戦争があったり大災害があれば必ず儲かる仕組みになっていることはどこの国でも変わりない。こんな初歩的な事実を知っておくだけでも劇場政治に乗っからない知恵が生まれて来るはずだ。

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