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榊原烋一 【サカスト】 |
この【サカスト】が掲載される頃には民主党の代表も決まり、誰がなっても挙党一致のかけ声だけは叫ばれることだろう。
とにかく、日本の民主主義を冷静に眺めれば、安定した2大政党制が確立されることがなんとしても必要だ。しかも、55年体制のようなかたや万年政権安住党、対するは国家のためになろうがなるまいが相手の意見に反対するだけの党の対立では、政策論議に刺激はあったかもしれないけれども、これからの日本を考えればそんなお遊びで国家の運営をやって行けるはずはない。
今後は自由な競争で強い者が勝って行く競争型社会、しかし当然のことだがそこには勝ち組、負け組が歴然とする格差社会を作って行くか、自由な市民社会でかなりの平等性をもった多様な価値の共存社会を作るかの2大政党が相互に刺激しあって、透明な政治のあり方を競う国作りが大切だ。
私個人は矢張り戦後の長期間君臨していた現政権政党と、現在の小泉政治には疑問を持っている。確かに小泉首相の下で日本の政治、あるいは日本の官僚、経営者の意識がかなり変わったことは間違いないし、この点で小泉氏の功績を認めるのにやぶさかではない。しかし小泉氏が懸命に否定する格差社会は目に見えて広がりつつある。
だからここで違う視点から政権を担当し得る安定政党が必要になる。その意味で今は民主党のあり方に注目しなければならない。たまたま私の選挙区は菅氏の地盤だ。一昨日、私は彼の選挙事務所に電話した。もちろん匿名だが一有権者としてである。
それは今回の事件の発端である永田氏のメール事件、およびその結着のつけかたの経過での前原代表の行動はまさに失笑ものではあったが、民主党とすればマスコミがこれだけ次の代表戦に対して過熱報道をしているその意味を党として本気で考え、同時にこれだけ注目されている機会を生かして行けなければ民主党はまた崩壊の道を辿ることになるという忠告をしたかったからだ。
ところでもう決まっただろう代表戦、表面では挙党一致とは言うもののその内情は極めて危ういものだ。小沢氏にとっては自分の権力の座を握るおそらく最後のチャンス、そして同世代でありしかも自分より後輩のくせに圧倒的な国民の支持を集めた小泉氏の引退、ここで野党とはいえ一家の権力者にならねばとの思いが見えみえだ。しかも本質的に政策理念が正反対とも言える旧社会党勢力がこれに力を貸す。
一方の菅氏も前原氏に2票差で破れた前回の代表選に対する悔しさもあるだろうが、それよりも表面では小沢先生と敬意を現わしていながら、内心ではあの男に権力を独占させては危険、と思っての立候補であることもこれまたはっきりと見える。
さてこれで代表戦が終わってすぐ大きな選挙でもあればまだいい。しかし直近の参院戦までだって日数がある。その間に民主党の内部でまたまた勢力争いが起きる可能性が私には匂ってくるのだ。奇跡が起きるとすれば、小泉氏の後継者争いで自民党が紛糾し、内閣不信任で衆院解散なんて事件が今年の内に起こってくれれば、ひょっとして政権が転がり込むか可能性がないとも言えないが…?
もともと自民党が内部でいつもごたごたしていながらも、一応安定しているように見えるのは政権党だからだ。政権党であればこそ大人しく誰かのしっぽにぶら下がっていればそのうちにいつか花咲く日もくるだろう、との目標が持てる。かりにその夢が破れてもまたどこかのしっぽを探せば、との希望もある。もともとこの国の政治家には思想なんてないのだから。
ところが野党にはそんなうまみはない。内部のだれかが権力を握れば、反対勢力は頼るものが何もなくなる。目標も希望もなく、まして政治理念がまるきり違えば党内での理論闘争を繰り返すばかりで,具体化の道などどこにもない。だから必然的にたもとを分かつしかなくなる。
というわけで、民主党が代表選を無事終えたとしても政権奪取可能な政党として一致団結できるかどうか私には悲観的にしか考えられない。そしてそれは一政党の問題だけではなく日本の民主主義の今後のありようにも影響してくるのではないか。
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