遠い親戚より近くの他人と言うではありませんか

榊原烋一 【サカスト】
2005年4月19日(火)寄稿

中国の反日デモはかなり過激なものとなっている。韓国の竹島問題に対する反日行動もこれからどうなってくるのか気掛かりでもある。

日本政府は一応冷静に対応せよと平静を装うと同時に、外務大臣が抗議は行った。デモがエスカレートすると想像も出来ないような行動も起きる可能性があるから、中国の警備当局もこれに対する備えはおろそかにしないで欲しい。

韓国の場合は竹島の帰属問題が絡んでいる。もとはと言えば戦後日本が首を縮めている間に韓国大統領李承晩が勝手に水域の権利を宣言してしまったことにある。ただどちらの問題についても危惧されることは、それぞれの国の歴史教育のあり方にもこれらの原因があると考えるからだ。

わが国を考えても分かるように、第2次世界大戦を実際に経験した筆者のような人間はもうほとんど残っていないし、そんな戦争があったことを知っている人間もそろそろ第一線を退こうという世代になってしまっている。歴史とは教科書で学ぶ以外には知るすべもなくなってくる。日本とアメリカが戦争したんだって?それでどっちが勝ったの?という若者が実際に出現している世の中だ。そんな世代に変わりつつある今日、中国、韓国それぞれの若者たちは戦後何十年も日本は悪らつな帝国主義国家、軍国主義国家、侵略国家だと教育されていたのだ。

他の国が国民にどのような教育をしようがそれは勝手なのだが、そのように教育されている国民が日本を眺める目とはどんな目であるのかについて、日本政府も日本人ももっと真剣に考えておかねばならない。こんな教育を受けていれば、些細なことでもいったん口火をつければすぐに燃え上がってしまう状態が中国にも韓国にもある。私と同じくらいの年代の人間はそれでも昔の日本人との付き合いを覚えていたから、軍国主義と日本の大衆とは別物だという体験も持ち合わせていた。しかし中国にせよ、韓国にせよ40代以下の人間にそれを期待することは出来ない。

前にも触れたと思うが、足を踏まれた人間はいつまでもその痛さを覚えているが、踏んだ側はそのときゴメンと言えばそれでいっさい水に流した気持ちになってしまう。まして本気で謝ったかどうかも分からない態度で、しかも賠償金であるとも明言せずに莫大な金を注ぎ込んで、これですべては丸く収まったと自分だけで満足していたって相手が許すはずはない。これが日本人がいつまでたっても近隣諸国から真の信頼を得られない大きな理由だ。まして当面の中国、韓国政府は国民の目をどこかに対する憎しみに向けておかなければ自分たちにその刃が向けられそうな状態となれば政府ぐるみである程度のところまでは黙認だ。

小泉さんの靖国参拝だってこれを続ける限り相手に絶好の反日の口実を与えることになってしまっている。死んでしまえば皆神様、だれに恨みも持たないのが日本の文化であるといくら説明したってそんなことは外国人に通用しないことを知るべきなのだ。つまりそのくらい世界と懸け離れた文化を持っている国だと言うことを、外交問題では常に念頭においておく必要がある。

今さら小泉さんが靖国参拝はしないなどとは絶対に言えない立ち場に立ってしまった。中国や韓国に抗議されたから、はいやめます、では日本国民から非難の嵐が巻き起こることは必然だ。いいかっこしい、はよかったけれど、外交問題には力のない小泉さん、これからの日本の梶をどう切って行くつもりなのか、太平洋のかなたの国ばかりと仲良くしていて解決できるのか極めて心配な状態だ。

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