民主主義

参議院選挙が近付いて来た。近付いたけれどどれだけの関心が日本人にあるのだろう?

この週末は候補者にとって最後のプロパガンダのチャンスだ。しかし参議院の選挙というのは国民にとってそんなに重要なこととは受けとめられていない。この結果がひょっとすれば総理大臣の死命を制することになるものだということが意外に知られていないようだ。今日もテレビのニュースでは各地域の選挙管理委員会が知恵を凝らして投票を呼びかけている姿が写されている。もちろん、日本のマスコミは選挙前にどの候補者に投票すべきか、の報道はできない。テレビニュースでも、各政党の党首、そして各政党の選挙公約、また今後の日本のあり方などの訴えを公平に議論させながらも、とにかく投票に行きましょうの側面的援助。マラソン選手も投票しましょう、舞子さんも投票しましょう、ウルトラマンも投票に行きましょうのニュースだ。党首討論会なんて興味もない、見てない人にも、とにかく投票に行きましょうの連呼。

実はこれってすごいお金がかかっているのだ。選挙管理委員会とは教育委員会とか人事委員会と同様に行政委員会として一括される言うなれば外局的存在。これはこれでとても大切な組織のあり方だ。つまりどこかの政治的な圧力で動く組織ではなく、完全に中立性をもった行政組織になっている。そこでたとえば教育行政で一番お金がかかるのはなに?それは教員の給料だ。では選挙で一番お金がかかるのは?

候補者ではない。選挙管理委員会なのだ。身の回りを見て御覧なさい。立候補者がいてもいなくても選挙公示用の掲示板を作る、候補者が予想以上に多ければ慌てて新規発注する、もし数人しかいなくても掲示板は作っておかねばならない。

投票日には休日出勤の手当てや、選挙管理委員の日当を払う。まして投票の締め切りが遅くなった現在、残業や、開票作業のための深夜手当てまで払わなければならない、これってみな国民の税金だ。ところがその税金払っているコクミンは、11日の日曜日にはどこに遊びに行こうかしか頭にない、どうせ政治は変わりっこないさと思うから。

年金問題はマスコミのおかげで、ちょっと待って、社会保険庁ってすごい無駄遣いしてるんだ、との意識が出て来た。実は選挙管理委員会だって、予算の決め方は内局とは違ってはいても、芸能人を使ったりスポーツ選手を使ったりしているのは候補者が支払っているのではなく税金ではらっているのだから、もし、投票率が有権者の半分にも達しなければ全く無駄金になる。しかしお金受け取る方は投票率には関係ない、あなたの宣伝が悪かったから投票率が下がった、ギャラ返してとも言われない。日本の民主主義とはこんなにも税金を払っている主体者が何も考えないで無駄金を支払っているという政治体制になっていることを、もっとマスコミさんが知らせないと困るね。もっともそれをほじくると、それほど信頼できない政治家ばかりと非難してしまうことになったり、誰が出ても変わりはしないよ、としかマスコミも言えなくなってしまうかも。

投票率100%の国に民主主義がないことは当然だけれど、いくらなんでも50%以下の投票率という現実が起きている現在、口を開けば民主主義を唱える政治家は、この事実をどう考えどう責任を負おうと考えているのだろう。まして棄権するコクミンは。

2004年7月4日寄稿

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