草葉の陰から

おじいさんは考える力がなくなってきそうだけれど、78年間の人間としての経験からはやっぱり言いたいことが次々に出てくる。

菅代表辞任、これはタイミングが悪かった。市民活動の担い手としてさっそうと登場して来たのはよかったけれど、永年政権をになっていた、つまり莫大な情報をもつ官僚群を従えている自民党の政策に、今までの野党と違って政権を狙える野党を作ろうと真っ正直に妥協の道を選んだのが失敗(政治的に失敗でもこの姿勢がいつか回復できるかもしれない)ひとつよかったのは、これまで年金問題が役人の食い物にされていた事実が、国民の大半に「これは自分のことだ」と考えられるきっかけなったこと。まもなく年金法は議決されるだろうけれど、こんな法案は大赤字を出した役人のしりぬぐいをするだけ。その辺りが政権を長く保っていた自民党の政治感覚に負けてしまった。問題が起きると福田さんはあっという間に辞任、政府の仕事やめたって議員の身分は安泰。先手を取られた菅さん、もうどうしようもない。

しかも一時、かつての社会党のように、年金3兄弟だとか、江角さんを国会参考人として呼び出せ、など吠えた後だけにこれはまずかった。聖書には「罪のない人だけ石を投げなさい」と書いてある。反対するならまず自分の身の回りを考えてやらなければね。

しかし、旧来の政治家、しかも長らく政権政党にいて表に出ずに黒幕になっている連中の顔って、どうしてあんなに汚らしくなってくるんだろう。その点で小泉さんが人気が出るのは分かる気がする。あの人はなにを言われてもあっけらかん、しかもワンフレーズ。余計な間投詞がない、自民党もうまい看板を作ったものだ。とにかく黒幕はあくまで黒幕で表には出ない。

それに比べると、菅さん、日曜日にマスコミ各社に出演して弁明一筋だ。そのうえ一言ごとにアノーの間投詞の連発、ご婦人がたに変な人気のある爬虫類みたいな顔の司会者にまで、そんなことは聞いていななんて言われる始末。いこれじゃあの人には任せられないとの印象をまき散らしただけ。どっちみち政権取るまでは役人が味方になってくれないのだから、江角さんに当たる力を、せめて政権政党とはいかに汚い力を持っているのか、一時はエイズ問題で役人相手に戦った厚生大臣の気持ちを忘れない戦略を建ててみればよかったのにね。

さて「イラクの陰」で触れたけれど、ついに皇太子が我慢できない気持ちを訴えたね。これは男として当然な態度だが、次の天皇になる人が記者会見でこんなこと言ったのはかなりの覚悟だ。けれども恐らくマスコミはますます雅子サマー、愛子サマーで悲劇の主人公をつくり出してくるでしょうね、まことにお気の毒の限りです。これも仕方がない、あなたがいらっしゃるおかげで生活している役人も記者も一杯いるのですから。

ぜひ次の世代の日本を変えて行きましょう。そのころ私は生きていないはずです。草葉の陰からお祈り申し上げます。

2004年5月10日寄稿

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