私の言葉足らずで主筆に誤解を招いてしまった。「まじめに」論説を書き出したと言うのは、それまでの論説が不真面目だったと言うことではない。数週間前、主筆が風邪で休刊したとき、私が暇ダネで危機シリーズを書き出し、その後主筆が論説をまた再開してくれたことについて、「最近はまじめに出勤してます」くらいの意味で使ったのだ。内容は以前から「まじめ」そのものだ。
ところで最新のコラムで、埼玉7区で当選した小宮山さんのことを詳しく紹介していたが、偶然10日夕方、民放のテレビニュースで同じくコラムに出てくる小宮山さんの対抗馬である中野さんの選挙請負人というか選挙参謀の活躍ぶりが報道されていた。こんな商売もあるんだと感心して見ていたが、この人は別の商売をしていてもちろん埼玉県民でもないのだが、国会はおろか、地方の市町村議員の選挙でも頼まれれば選挙参謀を請け負い、実費以外の謝礼は成功報酬だという。なんと成功率は本人の談では98%だという。しかし今回は先に小宮山さんの当選が決まり、夜半過ぎ、中野さんも比例区で惜敗率での当選が確定、請負人さんも遠くの自宅のテレビをそれまで見ていてほっと一息ついていた。
当選するといったいどのくらい請求するかとの問いには笑って答えなかったが、どうやら千数百万円は下らないようだ。
選挙にお金がかかることは知っていてもこういう職業が成り立つとは驚くが、その戦法は旧態依然だ。選挙カーでの手のふり方、うぐいす嬢の声の出し方、駅頭での立ち位置、おじぎの仕方、要するにこの請負人がこれまでの経験で貯えた知恵。もちろん自分の本職の会社でもこの日のためにたくさんのオペレーターを雇い、電話でその選挙区の有権者にいろいろなアンケートをしたりする科学的?な部分もあるんだけど、この年の私が見ていてさえこんな戦術が有効なのかと疑ってしまうほどなのだから、もしこの選挙戦術にひっかかって当選させてしまうとしたら、そんな日本の選挙民のあり方こそ問題がありそうだ。
2003年11月12日寄稿