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岸田 徹 【岸コラ】 |
日経平均が好調で、株価は一時16,000円台に乗せた。約5年2ヶ月ぶりだという。じゃ、その5年2ヶ月前には何があったのだろうか。
時の総理は、森喜朗。建設大臣に扇千景が入って、それまでは喜ぶポストなのに扇さんは「いきなり交通事故に遭ったような気がした」。貧乏くじを引いた気かとの記者の問いかけに、そうだと答えた。公共事業の癒着構造が取りざたされていた時期で、自民党議員は腰が引け、連立先だった保守党党首の扇さんにポストが回ってきたのだった。
アメリカの大統領はクリントン。クリントンは、アメリカの好景気の持続のために4期連続グリーンスパン氏をFRB議長に指名した。アメリカの株高は日本の株価にも反映するはずだったが、アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪を引くとも言われ、日本の株価はアメリカ頼みだった。ハイテク株が全盛で、上げに上げていた。
そんな中、中東情勢が悪化し、原油高が世界中の株式市場を直撃した。そこで、日米のハイテク株がドンと下げた。さらに日本ではダイエーの中内さんが経営から身を引いたり、そごうが経営破たんしたりする流通業界の不安に加え、協栄生命と千代田生命が相次いで経営破たんした。これで、金融不安が増大して、株価は立ち直れなかった。
この年の株価は2万円台から始まり、最高値は4月の20,833円。終値は13,785円だった。20世紀を締めくくる取引だったが、ご祝儀取引の声もなく寂しい大納会だった。この一年だけで株価は三分の一下げた。
こう振り返ると、あの時どんどん下がった株価は、5年の試練を経験し、ここに来てじりじりと盛り返し、2万円の声ももうじきなのではないかという期待も上がる。上のグラフは日銀が発表している家計の資金だが、最近は定期預金の額がどんどん減って、その分普通預金と株式投資、外貨預金に回っているのがよく分る。
そして、5年前の株価が下がる前の状態に資金量全体と株式に回ったお金の額が近付いている(1999年度)。その時よりは普通預金の額が多いので、株式市場が堅調に上昇すれば、5年前より多い資金が普通預金から株式の資金に移る可能性が大きい。
こう見てみると、今期待されている株高は、5年前もそうだったように個人投資家がけん引役となって実現する可能性が大きい。
5年前と環境が違うのは何か。以前の国債残高は500兆円だったが、今は800兆円だという事だ。国債はどんどん満期が来て、その満期は利息とともに買い支えないと国が破綻してしまう。そのため、利息を高くして国債にお金が回るように国が誘導する。これと株価は闘わなくてはならない。
家計の普通預金の残高は多くの人が狙っている。これが、株などの直接投資に回らずに、外貨預金で国外に流れたり、国債に回って国の借金が安易に行なわれると、日本の財政は最後の頼みの綱を失うことになる。
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参考資料:
日経平均一時1万6000円台 5年2カ月ぶり [2005年12月21日 日経新聞夕刊]
証券この1年 ネットバブル崩壊、米株急落直撃 株価、年末まで下降線 [2000年12月30日 東京朝刊]
東証1万3785円 大納会15年ぶり安値 今年最高値から33%下落[2000年12月30日 東京朝刊]
証券この1年 10大ニュース [2000年12月30日 産経新聞東京朝刊]
東証 一時450円超す上げ 郵貯資金投入など好感 [2000年12月25日 産経新聞東京夕刊]
東証、終値は1万5330円 今年最安値[2000年10月14日 産経新聞東京朝刊]
東証、年初来安値 中東情勢緊迫、NY株急落 世界同時株安の恐れ[2000年10月13日 産経新聞東京夕刊]
東証、年初来安値を更新[2000年10月11日 産経新聞東京夕刊]
ダイエー・中内氏 流通革命の旗手、退く 借金頼みの拡大挫折[2000年10月11日 産経新聞東京朝刊]
千代田生命破たんの信用不安で続落 東証[2000年10月10日 産経新聞東京夕刊]
第2次森内閣発足 扇さん「建設相、なぜ私」 中尾ショック なり手なく…[2000年7月5日読売新聞 東京朝刊]
グリーンスパン氏 FRB議長4期目に 就任宣誓 過熱景気軟着陸なるか [2000年06月21日 産経新聞東京夕刊]
参考サイト:
国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(平成12年6月末現在)
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