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岸田 徹 【岸コラ】 |
今年は早くも夏ばてしている人が多いのでは。空梅雨かと思われるほどの強い日差しがあったかと思うと、やっぱり梅雨だと思い知らされるほどの雨がザーザー降れば、湿度も上がり一挙に夏ばて現象になる。
どうして夏ばてなんかになるのか。忙しい読者に代わって、【岸コラ】が徹底調査!と思ったのだが、これが全然分らない。
そもそも、夏ばての「ばて」とはなんなのか。これは簡単、辞書を調べればすぐ分る。「ばて」は「ばてる」の「ばて」で、「ばてる」は「疲れ果てる」からきている。つまり疲れ切ってしまうことで、競馬用語だったらしい。
ということは、夏に疲れ切ってしまうのを「夏ばて」というのだ。暑い夏に疲れるのは当り前。疲れない方がおかしい。でも、それじゃコラムにならないからもう少し続けると――。
じゃ、夏ばてになるとどういう状態になるのか。
これらの状態が「疲れ」として出てくるのだ。その疲れとはどんな疲れかというと、
こんな疲れの数々は、どうして起こるのか。これは暑いからだ。だから仕方がない。それが結論なのだが、それじゃ、読者の期待に応えられないので、もう少し理屈を付ければ、こうなる。
実にもっともらしいメカニズムだが、これが、医薬品会社のホームページだと、
ということになる。
だいたい変なのは、体が熱くて夏ばてするならクーラーを浴びればいい。栄養を摂って体温が上がってしまう結果、栄養のないさっぱりしたものを食べたくなるんだったら、それでいいじゃないか。
「夏ばて」を分析した結果を見ると、南国の高温多湿のところじゃ暮らせないことになってしまう。どうも、医薬品業界が夏ばてをあおって、夏ばては大変なことになるぞと脅し、風邪薬が売れない夏のたびに薬の売上げを狙っているのではないか。
夏ばての、「ばて」が競馬の世界から抜け出し一般に使われるようになったのは、昭和30年代以降だという。となると、サラリーマンが多くなって、組織で働く人のストレスと、外での飲食が多くなってビールを飲みすぎたり、クーラーが徐々に会社に備え付けられたりの時代。そんな時代とともに使われる言葉になったのだ。
「夏ばて」は高温多湿で出る現象ではなく、システム化された社会で出てくる現象だ。だから、薬を飲んでも治らないし、詳しく分析してもあまり意味がない。
ま、医者でもないのにいい加減なことは言えないが、暑けりゃ枝豆にビールで終わらせてもいいんじゃないの? 体が火照れば水を浴び、クーラーで冷えたら風呂に入ればいいんじゃないのかねぇ。眠れないからって必死に寝ようとしたり、疲れが取れないからって強壮剤をグイとやったところで、いい結果は絶対に出ないよね。
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参考資料:
国語大辞典(新装版)小学館 1988年著作版
参考サイト:
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