小泉首相とブッシュ大統領とジェネレーションY

小泉さんは、今年の1月で63歳になった。ブッシュ大統領は今年の7月で59歳になる。二人の年齢差は4歳だ。この年になると4歳の差はあってないようなもの。ところが、この二人の年だけは4歳の差が大きい。

同年代の日本人を見ても違いが分かると思う。小泉さんと同じ年に生まれた人だ。落合信彦(ジャーナリスト)、角川 春樹(角川書店)、中谷 巌(多摩大学学長)、今井通子(登山家)、加納典明(写真家) 、高村正彦(元外相)、山本陽子(女優)、上岡龍太郎(タレント)、森山加代子(歌手)、北の富士勝昭 (相撲)、上月 晃(女優)、小沢一郎(民主党)、糸山英太郎(実業家、政治家)、三枝成彰(作曲家)、松方弘樹(俳優)、中尾 彬(俳優)、松本幸四郎(9代目・歌舞伎役者)、橋田信介(イラクで亡くなったジャーナリスト)、青木 功(プロ・ゴルファー)、長沢 純(歌手)、尾上菊五郎(7代目・歌舞伎役者)、中山律子 (プロ・ボーラー)、杉田力之(みずほ銀行の基礎を作った元第一勧銀頭取)、日野皓正(ジャズ・トランペッター)、十朱幸代(女優)、カルーセル麻紀(タレント)、出門 英(ヒデとロザンナ)、市田忠義(共産党書記局長)。日本人ではないが金正日も同い年。

一方、ブッシュ大統領と同じ年に生まれた人だ。三笠宮寛仁親王(皇族・ひげの殿下)、鳳 蘭(元宝塚・女優)、宇崎竜童(ミュージシャン、作曲家)、中条きよし(俳優)、九重佑三子(歌手・女優)、吉田 拓郎(シンガー・ソングライター)、美川憲一(歌手)、田村 亮(俳優)、中尾ミエ(歌手、タレント)、鈴木ヒロミツ(タレント)、西川きよし(漫才師、政治家)、市川団十郎(12代目・歌舞伎役者)、堺 正章(タレント、俳優)、谷 隼人(俳優)、木の実ナナ(女優)、田淵幸一(野球)、菅 直人(前民主党代表)、岸 ユキ(女優)、山本浩二(野球)、大原麗子(女優)、猪瀬直樹(ノンフィクション作家)、倍賞美津子(女優)、下条アトム(俳優)。

日本人ではないが先日球団の楽天でGMになったマーティ・キーナートさん、韓国の盧武鉉大統領、元アメリカ大統領のビル・クリントン も同い年だ。

どうだろう、小泉さんと同年代の人の方が孤軍奮闘している感じはないだろうか。もう少しはっきり言ってしまえば、ブッシュと同年代の人たちの方が明るく自己主張がしっかりしている、個性的な感じがする。

この違いはどこから来るのか、この説明は実に簡単だ。小泉首相が生まれた1942年1月8日というのは、そのちょうど1ヶ月前の1941年12月8日に日本軍が真珠湾攻撃をした時だった。そして、ブッシュ大統領が生まれた1946年7月6日というのは「とつきとうか」前と言ったらパパブッシュは顔を赤らめるかもしれないが、1945年8月15日に日本は降伏したのだ。

つまり、小泉さんは戦争に向う時代に生まれ、敗戦後の苦しい貧しい時代に幼少から思春期を過ごしたが、ブッシュは、パパブッシュが戦争が終わったと喜んでつくった子供で、戦後すぐは両親は大変だったろうが本人は大変な時代を知らない子供だ。日本でも同様のことがあり、戦争が終わり次の年に子供がたくさん生まれた。戦後の1946年から1949年にこうして生まれた人たちが団塊の世代(多く生まれたので人口構成がこの世代だけ団子のようになっているという意味)だ。アメリカでは戦後ベビーブーマー(BB)と呼ばれている。

人間には個性があるし環境もみな違う。だから、一概に世代の差で人間を論じることは無理がある。しかし、小泉さんの歴史とブッシュさんの歴史を考えてみた場合、戦争の影響がないとは決して言えないので、やはり世代の影響というのは出てくるものだ。小泉さんの幼少期は卵ひとつがご馳走の時代だったし、学校での勉強も今のようにシステム化されたものではなかった。善し悪しを論じるよりは、目の前の損得の方が大事な時代だったといえる。この価値観は簡単には変えられない。

世代というのは、社会学的にはだいたい30年をひとつの区切りとして扱われている。この戦後すぐに生まれた団塊の世代から30年になろうとする時代(現在33歳前後)に人口が多くなっているので、この世代の人たちを「団塊ジュニア」と呼んでいる。ライブドアの堀江社長がこの世代だ。

グラフの上からは分かりやすいのでそう信じられているが、実際には団塊の世代同士の夫と妻は少ない。日本では男が年上の場合が多いので、本当はこの人たちは団塊ジュニアではない。正確には団塊の世代の女性の子である。男性は女性より遅く結婚するので、団塊の世代の男性の子は、それからまた5、6年たってから生まれる。これまでの世代の人たちは、両親が戦争経験はないものの、戦後の混乱期に育ち、高度成長でどんどん生活が変わた人たちなので、その意味では戦後を引きずっている両親の子だ。

これ以降、年代でいうと1980年以降に生まれた人たちは、両親も戦争をまったく知らない世代になるし、本人たちも高度成長後の人生で、それまでの経済社会とは違う生活をしている。この世代をジェネレーションYの中心世代と日経新聞では呼んでいる。現在16歳から25歳ぐらいの人たちだ。ゴルフの宮里藍とその兄弟はこのジェネレーションYに入る。その師匠にあたるお父さんは団塊の世代だ。じゃ、宮里兄弟は団塊ジュニアかといえば、お母さんが団塊の世代ではない。藍ちゃんはゴルフの上ではもちろんお父さんの影響が大きいだろうが、生活面ではお母さんの影響の方が大きいに違いない。

ジェネレーションYの両親は、団塊世代の下の人たちが多く、競争社会に疑問を持ち、個性を主張した。DCブランドやHanako世代だ。「新人類」と呼ばれた人たちも入っている。ちょうど、松田聖子(1962年生まれ)とその子供SAYAKA(1986年生まれ)のような関係だ。

ジェネレーションYの特徴的なところをあげれば、低成長時代の日本が豊になった後の時代に育っている点、パソコンもオーディオも電話もデジタルで身近、外国といえばアメリカ、ヨーロッパより東南アジアで、外国は憧れの地ではなく日本が東南アジアから憧れを持たれているのを受けたりリードしたりする点、最初から少子高齢化社会が来ると教えられている点――などだ。

2030年には日本の65歳以上の人口は全人口の3割を超える。その時、ジェネレーションYの人たちは41歳から50歳。経済的にも体力的にも65歳以上の高齢者を支えていく世代になる。これは、急にそうなったのではなく、彼らが生まれたときからそうなることがほぼ決まっていた点だ。日経新聞のジェネレーションYに対する意識調査では、こうなった時の親の介護は「自分と家族」「自分と兄弟とその家族」で面倒を見るが71.5%、「施設に入居させる」は10.8%だった。介護への関心が実に高いのだ。(2月26日日経新聞夕刊)

同じ調査で、子供に対する意識を聞いたところ71.0%が「子供は欲しい」とし、何人かは「3人以上」が24.4%もいる。その子供に対しては「塾に通わせ高い学歴をつける」は6.6%しかなく、「音楽やスポーツなどの英才教育を施す」が22.0%ある。この数字は同じ質問の回答の30代の倍だという。(2月28日日経新聞夕刊)

意外な結果なのだ。この世代の人たちは明らかに前の世代の失敗を見ている。あるいは、親の世代が自分たちの失敗を語っているのかもしれない。どちらにしても、【サカスト】が指摘するように、小泉さんはじめ政治の世界はこの現実と感覚を理解できないでいる。我々は、もっとジェネレーションYにどのような日本を残してあげられるのかを真剣に考えなくてはいけない。日本人であることを残してもなんの役にも立たないのだ。システムとしての日本を作りそれを残さなくてはいけない。今ある日本というシステムは、国債で回している赤字財政というシステムだけだ。日本で生活をしたら幸せになるシステムがないのだ。

2005年3月1日(火)

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参考資料:

Microsoftエンカルタ総合大百科2005:「世代」

日本経済新聞連載「ジェネレーションY」未来図2005 2005年2月25,26,28日及び3月1日夕刊

グラフは、「総務省統計局『国勢調査報告』,国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成14年1月推計)のデータに基づき、【岸コラ】で作成した。

参考サイト:

団塊ジュニア世代攻略の為のマーケティング

ジェネレーションY 金融変えるか

生年別・誕生日データベース

インタビュー<日曜のヒロイン> 第386回 宮里藍

SAYAKA

松田聖子


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