宮里藍(みやざと・あい)がやったね。東北高校の3年生。日本女子プロゴルフツアーの第22戦になるミヤギテレビ杯・ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントで女子プロを抑え優勝した。

女子ツアーの最年少優勝者だというのもすごいし、プロのトーナメントでアマチュアが優勝したというのもすごい。試合の展開もすごかった。

試合は9月26日、27日、28日と3日間行われた。この通算で優勝者が決まる。宮里さんは初日70、二日目70と140で2位タイにつけていた。一位は山口裕子66+73=139、一打差だった。

実は、この日彼女は調子が悪かった。バックスウィングでフェースが開いてしまいボールが右へ飛んでしまう。意識するとかぶせるように打ってしまい今度はボールが左に行ってしまう。そのため、最初の5ホールでボギーを二つたたいた。これを回っている最中に元の状態に戻したという。以降パーをセーブして、13番のミドルでバーディ。この時トップだった片山真里と並んでトップ。山口を1打引き離した。

山口裕子も片山真里も今年28歳のノリノリのプロ。山口はすでに今年2千万円以上の賞金を獲得しているし、片山は日本を代表する男子プロ片山晋呉の妹だ。二人ともBMWやベンツで通っている。

宮里さんは山口プロと一緒の最終組だったが、山口プロも15番でバーディを出し、ついに3人が並び、前々組を回る片山プロはパーで試合を終えている。

18番最終ホール、宮里、山口がパーで終われば、この3人でプレーオフが行われることになる。片山はプレーオフに備えた。

宮里さんの第二打のスプーンはトップ気味のミスショットがオンしたかたち。これで力が抜け緊張がゆるんだものの、2メートルのパットが決まればバーディで優勝する。手も足も震えているのが分かる。でも、ラインはまっすぐだった。ただまっすぐ打つ事だけに専念したその一打が入った。ガッツポーズもさわやかに決まったが、観戦していた母親を見るとワイワイ泣いた。

その瞬間、山口と片山の両プロは優勝を逃した。山口プロは「すごく上手い。今日はショットもパットも調子がよくなかったのにあれだけやった。調子がよければもっと差がついていた」。

片山プロは「アマチュアに負けるのは本当に悔しい。プレーオフのことばかり考えていた。待った甲斐がなかった。また、兄に厳しいことを言われる」と涙を見せた。

宮里さんはアマチュアなので優勝賞金の1千80万円は授与されない。2位の賞金とあわせて山口、片山の両プロが804万円ずつ獲得した。

「賞金はありませんが、アマチュア勝利の名誉だけでも十分です」なんでもさわやかで笑顔が生き生きとし、人の目を外さずしゃべるマナーが大好評だ。

ご存知の通り、彼女は4歳の時から父親にゴルフを教わり、やはり父親から教わった二人の兄はすでにプロ・ゴルファー。大胆な兄に繊細な弟とゴルフの手法に差があるが、藍さんは両方のいいところを取っていると父親の期待も大きい。今度の優勝で、4週間以内に宣言をすれば、1年間のプロのシード権が与えられる。恐らくこれをきっかけにプロに転向するのではないかとささやかれている。

プロ・ゴルファーとアマチュア・ゴルファーの最大の違いは、「体調」だという。プロは1年の内のほとんどを試合で過ごす。体調が悪い時に試合をする事の方が多い。サラリーマンが常にベストの体調でデスクに向かっていないのと同じだ。だから、プロのゴルフは体調が悪くてもゴルフを続けられるように練習を積む。アマチュアは連日試合を行うことはないからベストの状態でゴルフに挑む調整ができる。だから、調子がいい時を想定して練習に励む。この差は大きい。プロのスウィングがみな同じように無駄がなく単調なのはこのためだ。

今回調子が悪い時に優勝を決めた宮里さんは大変な自信になったと思う。目指すはアニカ・ソレンスタムだそうだ。世界のトップスターの多くは小さいときから父親のコーチでゴルフを習得した人たちだ。「父親から、コースの攻略法が悪くてゴルフをやめてしまえと言われたことはあったが、スコアーが悪いからと怒られたことはない。ゴルファーである前に一人の人間としてどう生きるかを常に言われる」との弁もスコットランド風の世界標準だ。


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参考サイト:

第31回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン

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