インターネットが猛烈な勢いで広がっていても、世間の動きはテレビや新聞を見ないとどうも落ち着かない習慣が誰にでもある。マスコミの影響は甚大だ。特にテレビはほぼ100%の国民に身近な存在として君臨している。
だけど、いったいどんな人たちがそういうニュースや番組を世に送っているのかの関心はあまりない。我々はただチャンネルを回すだけ(今はリモコンを押すが正しいか)。放送局が違うのは教育テレビぐらいで、あとは面白そうな番組を選んでいるだけだ。
これが、危ない。なぜって、そのニュースの内容が正確か、あるいは番組の内容が適切かの判断は、事実上できないからだ。テレビで流されれば、そう間違った事は言わないだろうと安心しながら見ている。
だいたい、人間は、誰かにものを言われれば、「それ、誰が言ったの?」と確認したくなる動物だ。テレビだって、いろいろなテレビ局があるのだ。一覧にまとめたので、おさらいしよう。
| テレビ局名 | チャンネル | 経営会社名 | 会社形態 | 出資者 | 年間売上 | 従業員数 | 関係全国紙 |
| NHK | 1・3 | 日本放送協会 | 特殊法人 | 不明 |
6,738億円(予算) | 11,944名 | なし |
| NTV | 4 | 日本テレビ放送網(株) | 一部上場 | 読売新聞グループ本社(8.4%)・渡辺恒雄(6.3%)・読売テレビ(5.9%) | 3,350億円 | 1,356名 | 読売新聞 |
| TBS | 6 | (株)東京放送 | 一部上場 | 毎日放送(1.9%)あとは持合 | 2,870億円 | 1,367名 | 毎日新聞 |
| フジテレビ | 8 | (株)フジテレビジョン | 一部上場 | ニッポン放送(34.1%)、文化放送(3.6%)、東宝(6.8%) | 4,200億円 | 1,378名 | 産気新聞 |
| テレビ朝日 | 10 | 全国朝日放送(株) | 一部上場 | 朝日新聞(33.8%)、東映(16.0%)、小学館(4.6%) | 2,080億円 | 1,309名 | 朝日新聞 |
| テレビ東京 | 12 | (株)テレビ東京 | 非上場 | 日本経済新聞(?%) | 1,082億円 | 785名 | 日本経済新聞 |
NHKはもともと東京と大阪と名古屋のラジオ局が合併して1926年に社団法人日本放送協会ができたのが前身。当時は民間にやらせるべきだという声も大きかったが、犬養毅逓信大臣が政府権限を主張して、政府が干渉しやすい社団法人にした。
その後1950年に放送法に基づいて社団法人は解散し、現在の特殊法人日本放送協会が発足した。その際に社団法人の財産を引継いだはずなのだが、調べてもよく分からないので、出資者欄は「不明」とした。
NHKは大変な額の予算と圧倒的な人員で番組を独自に作っている。民放は今は約7割の番組をプロダクションに発注しているので、従業員数がNHKに比べ極端に少ない点は注訳がいる。NHKは広告主に左右されない、視聴者からの金銭で公平な報道と最適な番組を作っていると主張するが、そこに落とし穴がある。
視聴者からの受信料でほぼすべてがまかなわれているのは事実だ。だから、公平だというのは間違いだ。放送法により、NHKは12人の経営委員により経営されているが、この委員は国会の同意を得て総理大臣が任命する事になっている。さらに、事業計画や予算も国会の承認が必要。
ということは、実質的に国が握っているということだ。国とは通常官僚のことで、旧郵政省の総務省がいろいろ決めている。有事になれば当然内閣や国会の意思が入り込む。公平中道では決してない。
だいたい、どんな組織でも金と人がすべてを決める。誰が出資しているかはその意味で大変重要な問題だ。
HNKは国が金を出していはいないが、直接税のような受信料を独自に徴収している。視聴者の互選で経営者を選んでいるわけじゃないから、金を出している人たちの意見は経営には反映されない。経営者は国が選んでいる。だから、国営放送と言われたりする。
民間のテレビ局はどうだろう。日本テレビは読売新聞のもの同然。テレビ朝日は朝日新聞のもの同然。これは一目瞭然だ。日本テレビは去年の7月突然できた読売新聞の持ち株会社「読売新聞グループ本社」の社長・渡辺恒雄の影響もきちんと見える。
フジテレビは、フジサンケイグループで有名だが、開局の経緯が、ラジオ時代全盛の時期にテレビ時代到来を読んだラジオ二局が出資して始まった事から今でも大株主はニッポン放送と文化放送のラジオ局だ。
このニッポン放送の大株主に鹿内宏明(9.3%)が隠れている。鹿内ファミリーに牛耳られていたというフジサンケイグループは、1992年7月に「クーデター」があり鹿内宏明社長は解任された。その後経営がどう変ったのかははっきりした説明はない。
渡辺恒雄も鹿内ファミリーももともと会社を興したわけでも私財を費やして会社を救ったわけでもないが、まるでオーナーのような社内権力の中枢に上る力量を許す体質がマスコミ界にはある。それほど、経営が開かれていない。開かれていない経営は外部からの攻撃には強いが、内部の一部隆盛にはとことん弱い。
非上場のテレビ東京もその恐れはさらに深刻。母体の日経新聞は鶴田前会長のワンマン振りをスキャンダラスに取り上げられたのがつい最近のこと。
お金のかけ方によっても番組内容は違ってくる。単純には比較できないが、テレビ東京が1とすれば日本テレビはその3倍、フジテレビは4倍、NHKは6倍の予算がかけられる金がある。
それにしても、今回も調べていてうんざりしたことがある。会社の経営についてしっかりアピールしているテレビ局がないのだ。オーナー会社の中小企業だってもうちょっとましなアピールがある。第4の権力と言われるマスコミが、自らの姿勢をアピールしないのはフェアーじゃない。そんなところが報道合戦するから品位がなく、報道被害者が現れるのだ。
心してテレビは見ないと、騙されたとあとで気付くことになるぞ。新聞はさらに悪い。
参考資料:
Microsoftエンカルタ総合大百科2003
「会社四季報」2003年2集(東洋経済)
参考サイト:
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