アメリカとイギリスが今日イラクに戦闘を開始した。小泉首相はこれを支持している。
日本の世論は割れている。大方はアメリカの武力行使には反対しているが、日本がそれを支持した事については、反対意見を述べる人が多い。だけど、どこか歯切れが悪い。
戦争は反対だがアメリカには楯突けない。この日本人の感覚は、いったいどこから来たのだろう。
真っ先に頭に浮かぶのが、日本はアメリカの同盟国だという点だ。この同盟国だという概念はどういう概念なのだろう。我々の頭にあるのは、こんなものではないだろうか。
「第二次世界大戦時に日本は真珠湾を奇襲攻撃したり、東南アジアの国々を侵略し、残忍な行為をした。そんな事を二度と日本にさせないために、アメリカは日本に平和憲法を制定させた。そして、二度と戦争を起こさせないために軍隊を持たないようにさせた。再軍備させない代わりに、アメリカが日本を守ってあげるという。あれから半世紀、日本は大変な経済成長はしたが、軍事力がない。だから日米の同盟がなければいったい日本は誰が守ってくれるのか」
もし、そういう概念があるとした、これは幻想だ。次の二点で間違っている。
第一は、アメリカが日本に再軍備させなかったという点だ。アメリカが日本を守る根拠は日米安保条約だ。ところが、日米安保条約を締結しようとしたのはアメリカ側ではなく、日本側だった。
日本は1951年9月8日にサンフランシスコ講和条約を締結し占領から開放され正式に終戦となった。その同じ日に、日米安保条約を締結した。同時に締結したものだから、アメリカ側が持ち出した条約に敗戦国日本が無条件にそのまま署名したような印象があるが、そうではない。講和条約と安保条約は全く違うものだ。
講和条約が結ばれる前の1950年6月、朝鮮戦争が勃発した。アメリカはすぐに日本にダレス特使を派遣し、日本に再軍備を要求し、自由主義陣営のために軍事力強化をするよう吉田首相に求めた。
ところが、吉田首相は日本経済の現状からしてとても軍備に金はかけられないと、アメリカの要請を断ったのだ。その代わり日本に米軍が駐留する事を認めたのだった。これが日米安保条約の始まりだった。アメリカは、日本の再軍備には積極的だったのだ。
第二は、日本に軍事力がないということだ。これは軍事費から言って到底考えられない。「世界国政図解」によると、2000年の軍事費は、アメリカが断トツで2,947億ドル。2位はロシアで588億ドル。次は日本なのだ。日本は世界3番目の軍事費444億ドルを出している。
アメリカとともにイラクに参戦したイギリスは6位で339億ドル。反対したフランスは5位で343億ドル。いずれも日本より少ない。イラクは15億ドル。日本の軍事費はイラクの30倍。万一日本がイラクに宣戦布告したとしても無謀の一言では片付けられないほど日本は軍事大国なのだ。
日本は敗戦国の時をとっくに脱した。日本国民の心情と日本政府が行っている事とはかけ離れるようになってきた。アメリカは最初から日本が属国である事を望んではいない。アメリカの属国に日本をしたのはアメリカではなく日本自身である可能性が高い。
概念を修正して、独自の国政方針を打ち出さないと全く理屈が合わない国になってしまう。
参考サイト:
参考文献:
Microsoftエンカルタ総合大百科2003
成美堂出版「世界地図」2003年版
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